経営者インタビュー

たった一社だけの就職活動
--前職(株式会社セントメディア)への入社はどのような経緯だったのですか?
大学卒業後は「独立しよう!」と考えてましたから、就職活動は一切していなかったんですよ。 それが、たまたま目に入った求人広告で、 ”実力主義!起業を目指そう!独立制度アリ!”という大きなメッセージが書かれているのを 見たんですよ。今でこそ”実力主義”や”結果主義”という文言は普通に耳にしますけど、 6年前の当時にはとても珍しく、「この会社は面白そうだな。よし!1回いってみよう。」 そう思ったのがきっかけでした。
説明会に参加してみて、非常に活気あふれるベンチャー企業だなと思いました。 その説明会の帰り道に、こう考えたんですね。 「すぐに独立をするか、ベンチャーで修行して独立をするか」 そして、自分がやりたいことを再考してみました。 やるからにはビジネスの世界で大きなことを成し遂げたいというビジョンがあったので、 「どうせなら小さなベンチャーでビジネスの基礎を固め、それから独立しよう」 という結論に至りました。
会社をピラミッドに例えると、 底辺の面積が狭いピラミッドは高さが作れないので小さくまとまってしまう。 底辺の面積が広ければ広いほど高く、大きなピラミッドが作れますよね。 「ベンチャーで基礎を学ぶということは、その底辺を広く築くということなんだ」 と思いましたので、まずは5年間、このベンチャーで修行しようと思いました。
5年間という区切りについては、だいたいそれだけの期間をひたむきに経験を積む事で、 経営者としてのスキルも身につき、経営できるようになっているはずだ。 そう判断をしたわけです。そしてこの1社だけ、就職活動をしました。
--入社後、ご苦労などはありませんでしたか?
ありましたよ。 入社3ケ月後には支店長をまかせられ、成功報酬型の販売アウトソーシングを立ち上げ、 その後はIT通信、オフィスカタログ、トナーカートリッジなど、 いろんな事業の代理店ビジネスを連続的に立ち上げました。
どれも立ち上げる最初は、いわゆる産みの苦しみがありましたよ。 研修も何もないですから。(笑) 上司は教えてくれない。誰にも聞けない。聞いたとしても知らない。といった状況。 そのような状態だからこそ、 「自分がやらなければ。誰がやるんだ!」という意識は高かったと思います。 そして、”これは俺にしかできない仕事”という点が一番に自分のモチベーションを 高くさせていたかも知れませんね。
--そこでの経験が大きかったようですね。
そうですね。 営業そのものも知りましたし、部下育成や、プロセスマネジメント、ツールの整備など、 ”営業組織を作るということ”を一貫して経験できましたし。 上司からは「結果を出せ」これしか言われませんでしたので、もう必死でした。
『環境が人を成長させる』という言葉を耳にしたことがありますが、 まさにそうかもしれませんね。与えられた責任や試練が大きければ大きい程、 その人の成長につながるものじゃないでしょうか。
「絶対できる!」そう思ってました。
--その後、グローリアスの社長に就任されましたが、どのような経緯だったのでしょうか?
それは、私がちょうど27歳の時だったんですけど、入社5年目が経過しており、 「そろそろ独立しようかな」という想いが強くなっていた時でした。
池田代表(当時の株式会社セントメディア代表取締役社長。 現在の株式会社ウィルホールディングス代表取締役社長)から、 「おまえの作った事業を分社化するぞ!お前も経営に参加しないか?」 そう言われてたんですね。
ただ、即答はせず少し考えましたけど(笑)
--自分にできるだろうか?という不安からでしょうか?
いえいえ、「絶対できる」とは思ってましたよ。
ただ私がずっとやりたかったのは、全て自分でゼロから会社を作ることだったんです。 それで、どうするべきかを考えてました。
色々と考えてましたが、今まで自分が成長できた組織の中でもっとチャレンジができる、 自分よりも優秀な役員が近くにいるから更に学べる、後は育ててもらった池田にも恩返しがしたい。 そのような考えがまとまって「やります」という返事をしました。
--社長に就任してこそ得られたものはありますか?
職務の幅が広がるじゃないですか。 職務領域が広がることで 自分の能力開発にもつながっていますし、 普段読む本や、行くセミナー、ビジネスで会う人も変わってきましたので、 そういった経験は、本当に大きいですね。引き出しが増えました。
--また、ご苦労はありましたでしょうか?
設立1年目は本当に大変でした。 会社が産声を上げた瞬間、社員は約40名在籍していたのですが、 社風も固まっておらず、価値観もバラバラで、一体感もなかったので、それは苦労しましたよ。 社内の文化形成がうまくいきませんでした。
一言でいうと、バリューがなかったんです。 「これを大事にしよう!」といった共通の価値観がなかったんですよ。 行動規範がなく、行動や発言も個々にバラバラで、会社が揺れまくってましたね。
今ではミッション、ビジョン、バリューがしっかり定まり、 設立当時と比べても、社員全員の目指すべき方向性や指針が明確になりました。 今では逆に、セントメディアから「グローリアスの社風を見習いたい部分がある」といった 言葉を耳にしますが、本当にうれしいものですよ。 屋号が変われば社風もまったく変わり、個々の意識もまた変わるものだ、 という勉強になりました。

